事業所指定の打ち切り処分を受けた訪問介護のコムスンについて、複数の事業者に事業を分割譲渡する方針が固まった。
在宅介護を続けている家庭にとって、ホームヘルパーは欠かせない存在だ。
単純に“問題業者”がいなくなればいいという問題ではない。
採算が取れない地域は切り捨てという結果にならないよう、国や地方自治体は受け皿作りに目を配ってほしい。
同時に、コムスンのような不正が繰り返されないよう、介護保険制度の見直しを急ぐべきだ。
厚生労働省から処分を受けたコムスンは当初、グループ内の企業に事業を譲渡する方針だった。
処分逃れだと批判されたため、介護事業からの撤退を決め、一括して譲渡できる事業者を探していた。
分割譲渡へと方針転換した背景には、厚労省などの意向があるとみられる。
民間企業への不信感が高まっている中で、一企業への集中を避けたいとの判断である。
地域に密着した事業者がコムスンの事業を引き受ければ、プラスの面が期待できるかもしれない。
小回りの利く運営なら、「慣れたヘルパーさんにずっと来てもらいたい」といった利用者の声に応えられる。
だが一方で、採算が取りにくい地域や事業ではスムーズに引き継げるか、という問題がある。
都道府県を対象にした共同通信の調査によると、コムスンの事業所が廃止されると、少なくとも全国54の市町村で延べ760人がサービスを受けられなくなる見込みだ。
県内でも伊那市のグループホームに通うお年寄り20人が、行き場を失う心配があるという。
事業を円滑に引き継ぐ責任はコムスンにある。
ただ現実的には、行政や他の事業所がきめ細かい心配りをすることが求められる。
厚労省は今回の処分を受けて、介護事業者の規制などを見直す有識者会議を開いた。
まずは、処分逃れを許さない法規制が必要だ。
さらに、不正請求の背景にある介護保険の問題に踏み込むべきだ。
急速に膨らむ介護報酬を抑えるため、単価が引き下げられている。
事業者の経営は厳しい。
ヘルパーの大半は低賃金で働いている。
利用者の立場でサービスを決めるケアマネジャーも、現実には事業者とのはざまで難しい立場に置かれている。
人手不足も広がりつつある。
介護報酬の引き上げは簡単ではないが、働き手の待遇改善に国はもっと知恵を絞るべきだ。
低賃金、不規則な労働時間で支えているのでは、制度そのものが崩壊する。
2007年7月28日 信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20070728/KT070726ETI090004000022.htm
その通りです!記事の一番最後の一行「低賃金、不規則な労働時間で支えているのでは、制度そのものが崩壊する」とあります。
介護の現場で働くスタッフの質の向上を求めるのなら、このような悪い労働環境を整備するべきです。
向上心があり、やりがいを求める現場スタッフは、より良い環境を求め、辞めていくことが多々あります。
もっと自分の能力を活かせる現場を求め、またその見返りとして、なるべく高い賃金の職場へ移っていくのは必然です。
逆に、ただ今やらされている仕事をこなすだけの現場スタッフは、自分に自信がなく他の職場でも使えないから、じっと同じ職場に、居座っています。
こんな状況は施設にとって悪循環で、年々、質の悪い施設になってしまいます。
これも制度崩壊につながる大きな要因なのです。
しかし現実に、このようなレベルの低いスタッフだらけの現場はよくあります。
本当は同じ施設で長く働き、その施設を良くしていくのが理想ですが、福祉施設の経営が困難な状況なので、賃金向上は望めません。
誰が一番被害を受けるのか?
それは言うまでもなく、介護サービスを受ける利用者なのです。
何のための制度なのか?誰のための制度なのか?
厚労省のお役人さんたちは、自分達の保身ばかり考えず、高齢で生活されている方々、末端の介護の現場で働くスタッフの環境整備を第一に考えてもらいたいものです。
国の福祉を支えているのは、官僚ではなく福祉の現場で働いているスタッフなのですから。
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