介護訪問事業をめぐるコムスンの指定取り消し問題もあり、「介護サービスの質」が改めて問われている。
利用する高齢者の側に「お世話してもらって文句は言えない」と苦情を控える傾向があり、市町村も事業内容のチェックになかなか手が回らない。
「利用者が制度を理解し、積極的に要望や意見を出すことが、サービスの向上につながる」と専門家は呼びかけている。
東京都内に住むAさん(65)は、脳こうそくを患った母親(97)が毎日利用する訪問介護サービスに頭を悩ませてきた。
昼食と夕食の支度をするヘルパーが「約束の日に来ない」「決めた時間に遅れる」ことが繰り返され、その度に階下で暮らすAさん夫婦が対応してきたからだ。
「母は食事や着替えに助けが必要で、夜間は自分たちでみている。
介護サービスに助けられているが、これでは安心して頼めない」とAさん。
ケアマネジャーに相談し、事業所の変更を検討している。
東京都千代田区のケアマネジャーで看護師でもある柴山志穂美さんは「サービスに問題を抱える事業所はあるが、高齢者の側が『年寄りだから仕方ない』とあきらめてしまいがち」と指摘する。
介護保険の導入で、高齢者福祉は行政がサービス内容を決める「措置」から、利用者が主体的に選ぶ「契約」に変わった。
「事業所の良しあしを事前に判断するのは難しいが、利用してみて注文や苦情があればきちんと言うことが大事。ケアマネジャーに相談してヘルパーや事業所を代えることもできる」と柴山さんは言う。
介護サービスの苦情や相談は、市区町村の窓口や都道府県の国民健康>保険団体連合会(国保連)で受け付けている。
件数は年々増えているが、中には制度に対する誤解や思い違いによるものもあるようだ。
昨年度の苦情相談が362件と過去最高だった埼玉県には、「生活支援の時間延長をヘルパーに頼んだがダメだった」という苦情が寄せられた。
介護計画の変更はヘルパーではなくケアマネジャーの仕事だと説明し、担当のケアマネジャーに連絡を取った。
「高齢者の自立を考えて支援サービスを控えても、家族が>保険の限度額いっぱいに使いたいと主張することがある。制度や仕組みの理解不足は少なくない」と同県国保連の担当者。
立教大教授の服部万里子さんは、介護サービス全体の質の向上のために、
〈1〉利用者は苦情や不満があればケアマネジャーや事業所に積極的に言う
〈2〉ケアマネジャーは利用者の要望をうまく聞き出す工夫をする
〈3〉市区町村や事業所、ケアマネジャーは利用者への制度の説明、利用者の声の把握に力を入れる
――などが大切だと指摘する。
「介護サービスの苦情はどれも調整可能なことばかりです。
最初から自分にぴったりのサービスはないと考え、ケアマネジャーにどんどん意見を言って下さい。
ケアマネジャーも『何でも言って』と声をかけてほしい」と服部さんは話している。
2007年6月29日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20070629ik04.htm
私の経験上、介護サービスの苦情は全てが調整可能とは言い切れません。
初めの段階で制度を説明したものの理解されておらず、その結果介護>保険制度外のことまで求められてくるケースが結構ありました。
また介護>保険制度前の「措置」の時代のケアを求められるケースも多々ありました。
私たち有資格者や、ある程度現場経験がある者でさえ、わかりにくい介護>保険制度です。
利用者やそのご家族が1度や2度の説明で理解できるわけありません。
そんなすれ違いが原因での苦情はありましたが、誠意をもって再度説明に伺うと殆どの方は納得して頂けます。
結局、苦情って人間関係ができていない場合が多いんです。
わからない点は出来る限り早い時点で、ケアマネや利用先の事業所に説明してもらうのが一番です!
何度同じことを聞いても大丈夫です。
それも現場職員の業務の1つですから。
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