仙北市の民間有料老人ホームが突然閉鎖され、入居者が他施設への移動や自宅へ戻ることを余儀なくされるという、あってはならない事態が発生した。
閉鎖された老人ホームは昨年7月に開設されたばかりだった。
東京に本社を置くメディカル関連企業が実質的に経営。
定員80人、全室個室で県内最大規模を誇っていた。
しかし、施設職員への給料不払いなどにより、退職者が相次ぎ、運営が困難な状況に陥ったという。
施設閉鎖時の入居者は32人だったが、突然退去を迫られたお年寄りや家族の気持ちはいかばかりだろう。
やり場のない怒りが込み上げているのではないか。
基本的に業者と入居者の契約にかかわる事項とはいえ、お年寄りたちの今後の生活も含め、行政が問題解決に積極的にかかわっていくべきである。
かつて有料老人ホームは、健康な高齢者がついのすみかとして入居するイメージが強かった。
しかし、介護保険導入以降、実態は大きく変化した。
要介護者を対象に居住空間と介護サービスを提供する施設が全国に次々と開設されているのだ。
数百万から数千万円と高額だった入居費用も、競争激化を受けて低く抑えた施設が増えている。
厚生労働省によると、平成17年の全国の有料老人ホームは1406施設。
前年に比べ361施設、34・5%増加した。
介護保険法施行前に比べると5倍近い。
異常とも思えるほどの増え方だ。
その流れは本県にも及んでいる。
かつて県内には数えるほどしかなかったが、マンション型を含め現在は13施設に増加。
このうち県外資本は今回閉鎖された施設だけ。
他の12施設はいずれも県内資本(うち1カ所は県の設置)で、経営面ではおおむね良好という。
介護保険導入以降、介護ビジネスへの民間企業の参入が相次ぎ、県内でも介護支援センター、ケアサービス、デイサービスなどの名称を付けた事業所が急増している。
問題は事業者の間で、お年寄りをケアするという福祉の精神がどれだけ徹底されているかという点だ。
単に利益を出すビジネスとしての視点で介護事業が運営されるようなことがあってはならない。
それは有料老人ホームも同様だ。
有料老人ホームの開設には許可は必要なく、原則として経営計画、資金計画などを県に届け出るだけでいい。
事前の協議は行われるが、書類に不備がなければ問題はない。
しかし、その結果が今回のように開設から1年もたたないうちの施設閉鎖だ。
制度上、企業の経営の内情まで踏み込むことはできないにしろ、未然に防ぐための手だてが必要ではないか。
国は昨年4月、老人福祉法を改正。
人数要件の廃止など有料老人ホームの定義を変更、入居一時金の保全のほか、求めに応じた財務諸表開示など情報公開の徹底を打ち出した。
これを受け、県も昨年6月に県有料老人ホーム設置運営指導指針などを改正しているが、これまで以上に行政のチェック機能を強め、入居するお年寄りたちの保護と安全・安心な生活の確保を第一とした取り組みが求められる。
2007/04/22 秋田魁新報より
何よりも入居されている方を第一に考える経営をしてもらいたい。
確かにボランティアで運営しているわけではないので、赤字経営では続かない。
福祉観と民間経営が融合できれば最高の施設になるのではないでしょうか。
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