介護保険は、急激に進む超高齢社会に対応するために2000年4月から始まった制度です。
始まったのはいいものの・・・・
現実は「やってみながら改正すべき点は、おいおい見直しながら進めていこう」という内容のものでした。
制度が始まって5年後の大きな見直しは、始まる前から決まっていたことでした。
さらに、介護保険事業計画という市町村で行う介護保険の計画を3年毎に見直しをすることになっています。
つまり、介護保険が始まって以来、2~3年毎に何らかの見直しや改正が行われてきたのです。
もちろん国は、国民に良かれと思ってやっていることでしょう・・・・たぶん。
実際に要介護者の増加や重度化は、制度が始まる前の予想をはるかに超えた数字になっています。
これらの見直しに伴い、今後の介護サービスの見込み量や、65歳以上の方の介護保険料についても見直されています。
しかしその結果、
・保険料の変更
・サービス内容の変更
・介護度の段階も変更
を繰り返し、ますますわかりにくい制度となっています。
そもそも制度の目的は、高齢者が介護の必要な状態になっても、自立した生活ができるよう、社会全体で支え合うことです。
そして介護保険の基本理念は、以下の3つです。
・利用者の考えや行動を基準にする
・高齢者の自立を支援する
・利用者が自分で介護サービスを選択する
この基本理念を元に制度が機能すれば今のようなわかりにくさも多少解消されるのでは・・・・
高齢者福祉の現場で働くスタッフの多くはこう言います。
「昔の方が働きやすかったねぇ~」
「介護保険が始まって働きにく~なった」
それほど制度導入は強い影響がありました。
介護保険制度が導入される前まで
福祉サービスは今まで守られていました。
国にも社会にも。
ある意味
「競争のない世界」でした。
営業活動をしなくても
行政(市町村)が利用者を紹介してくれていました。
田舎の方に行くと今だに
福祉施設は市町村が運営していると思っている人が多いです。
今はもう何らかの形で営業活動をしないと
高齢者福祉サービスを使う利用者は増えにくくなりました。
さらに最近の改正では、
多種多様なサービスを提供するため、
民間事業者の業界参入を積極的に行いました。
福祉の世界中も
やっと本格的なサービス競争が始まったのです。
今までも、それなりに競争は起こっていましたが、
今回は本物です。
現につぶれている施設や事業所が出てきてます。
これから一番変わると予想されることは、
日本の福祉独特の雰囲気です。
今までは
サービスを提供する側が「やってあげてる」的な気持ちが
前面に出ている雰囲気がありました。
今でもそんな施設はたくさんあります。
社会の基本中の基本である「接遇」が
できていない人が結構います。
しかし、
・営業活動なしでは経営悪化
・民間事業者の参入
・介護サービス競争の本格化
の影響で、スタッフの人間性が問われています。
ほとんどのサービス業は「人」と「人」の関係です。
介護サービスも全く同じです。
経営者によっては、
早期に人材育成に取り組んでいる施設も少なくありません。
良い人材を多く確保することが
これからの経営に大きく左右します。
みなさん見ていてください!
高齢者福祉サービスは変わります。
変わらないと淘汰されてしまうから・・・・
どんな『保険』にも、「保険者」と「被保険者」がいます。
介護保険制度の場合
●保険者:市町村と特別区(東京23区)
●被保険者:介護保険料を支払い、介護給付サービスを受けられる人
さらに「被保険者」には条件があり、年齢によって2つに分けられます。
※条件:介護給付サービスを受けようとする市町村に住んでいること
◆第1号被保険者:65歳以上
◆第2号被保険者:40歳以上65歳未満で医療保険に加入している(被扶養者を含む)
それぞれの「被保険者」の詳細
◆第1号被保険者
・サービスを受ける市町村に住んでいる
・65歳以上
・市町村で決められた所得段階別の定額保険料を支払う
・保険料の支払い方法は、一定以上年金収入がある人はそこから天引きで、それ以外の人は普通徴収
・給付を受けるには、市町村に申請(本人か家族、またはその他)して要介護認定を受け、要支援か要介護の認定が出た場合
◆第2号被保険者
・サービスを受ける市町村に住んでいる
・40歳以上65歳未満
・医療保険に加入している
・保険料は医療保険と一緒に徴収される(労使折半)
・医療保険の被扶養者は介護保険料の負担免除
・給付を受けるには、制度が定めた老化が原因とされる病気「特定疾病」が認められ、要介護認定が出た場合
◆老化が原因とされる病気「特定疾病」
※これらは、定期的に見直されます。
○初老期における認知症
○筋萎縮性側索硬化症
○パーキンソン病関連疾患
○後縦靭帯硬化症
○骨折を伴う骨粗しょう症
○多系統萎縮症
○早老症
○脊髄小脳変性症
○関節リウマチ
○脊柱管狭窄症
○脳血管疾患
○閉塞性動脈硬化症
○慢性閉塞性肺疾患
○糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
○両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
○がん末期
これらの疾病は、65歳以上の高齢者に起きやすいが、40歳から64歳までの人にも起こるとおもわれるものです。
このような加齢と関係する病気にかかり、その病気のために3~6ヶ月以上も介護が必要になった状態が続いた場合が対象となります。
介護保険制度は法律で定められた『強制加入』、さらに『強制適用』の制度です。
制度に入りたくなくても、また保険料を支払いたくなくても必ず加入し、保険料を支払わなければなりません。
そこで、介護保険制度の被保険者の資格を「得るとき」と「失うとき」についてご説明します。
◆被保険者の資格を得るとき
・医療保険に加入しているが、年齢が40歳になった
・医療保険に加入すている40歳から64歳の人、若しくは65歳以上の人が住所移転により新しいし市町村の住民になった
・40歳から64歳までの人が、新たに医療保険に加入した
・医療保険に加入していない市町村の住民が65歳になった
◆被保険者の資格を失うとき
・住んでいた市町村の住民でなくなった日の翌日から(移転したその日に移転先の住民になった場合はその日から)
・40歳から64歳までの人で、医療保険の加入をやめた
要介護認定を受けて「要支援」か「要介護」の認定が出た場合、市町村から『介護保険証』が送られてきます。
その『介護保険証』は、介護サービスか介護予防サービスを受ける時、介護保険の被保険者証として必要です。
すなわち、
【 介護保険証 = 介護保険被保険者証 】
と、いうことです。
●第1号被保険者の場合
全ての人に市町村から介護保険証が発行され郵送してきます
●第2号被保険者の場合
「要支援」か「要介護」と認定された人と、被保険者証の交付を申請した人のみに、市町村から介護保険証が発行され、郵送してきます
※もし、被保険者の資格がなくなった場合は、すみやかに介護保険証を市町村へ返さなければなりません。
改正した介護保険法は2006年4月に施行されましたが、要介護認定の区分もその時から変わりました。
現在の要介護度は、
要支援1・要支援2
要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5
以上の7つに分けられています。
介護サービスは、「在宅サービス」・「施設サービス」に分けられます。
自宅で受けるサービスを「在宅サービス」といいます。
在宅サービスでは上記の7段階全ての要支援者・要介護者は介護給付を受けられます。
施設に入居する「施設サービス」の場合は、要介護者のみです。
要支援者は「施設サービス」を受けることができません。
そして、介護認定別に介護サービスを受けられる限度額というのが決められています。
必然的に、各段階によって受けられるサービスの内容や範囲が限られます。
介護度が重ければ重いほど利用できるサービスの種類や回数が多くなるのです。
◆介護度別支給限度額(在宅介護サービス)
【要支援1】・・・支給限度額(月額) 49700円
【要支援2】・・・支給限度額(月額)104000円
【要介護1】・・・支給限度額(月額)165800円
【要介護2】・・・支給限度額(月額)194800円
【要介護3】・・・支給限度額(月額)267500円
【要介護4】・・・支給限度額(月額)306000円
【要介護5】・・・支給限度額(月額)358300円
※支給限度額の範囲内で介護サービス組み合わせて、有効に利用してください。
※利用者の負担は、原則として費用の1割です。
※支給限度額を超えて利用した場合、超えた費用は、全額自己負担になります。
2007年1月現在の介護保険で受けられるサービスについてご説明します。
まず、介護保険の給付には3つの種類があります。
・介護給付(介護サービス)
・予防給付(介護予防サービス)
・市町村特別給付(市町村独自のサービス)
●介護給付について
・要介護認定で、要介護1~要介護5までの人が受けられます
・「在宅サービス」と「施設サービス」があります
●予防給付について
・要支援1と要支援2の人が受けられます
※介護保険制度では、サービスにかかる費用の9割は介護保険から給付され、残りの1割を利用者が負担します。
※ただし、ケアプランを作成する費用は全額介護保険給付ですので、利用者の負担はありません。